製品

高出力エナジーハーベスタ

私たちは現在、振動型エナジーハーベスタのエンジニアリングサンプルの製造・販売を行っております。下の写真はエンジニアリングサンプルの例で、サイズは20mm角、厚さ7mmです。1デバイス当たりの出力は1Gの振動で約10mW(交流ピークtoピーク値)になります。

どれくらいの事が可能かと言うと、これ1つで洗濯機の振動で加速度情報を読み取り、2~3分おきに無線通信でデータを送信する事ができます。


下図は私たちのエナジーハーベスタの動作原理です。片側に錘を配した片持ち梁がパッケージ内部で振動する事で、片持ち梁の両面に構築された圧電薄膜が伸縮し発電を行います。

私たちの保有するエナジーハーベスタには、従来のエナジーハーベスタに比べて小型かつ高出力という強みがあります。従来のエナジーハーベスタでは、高出力を出そうとするとどうしても全体のサイズが大きくなってしまっていました。IoT向けの自立電源として用いる場合、サイズが小さい程使用範囲が拡がる為、私たちのエナジーハーベスタは様々な産業分野に適用可能なポテンシャルを持っています。

下のグラフは、これまで私たちが調査・実証実験を行った際に取得した一般的なインフラ設備の振動周波数と振動強度を纏めたものです(横軸:振動周波数 (Hz) 縦軸:振動強度(G))。また、各振動強度での発電デバイス1個当たりの出力を第2縦軸に示しています。

現在私たちは人や動物の振動でも十分な電力を取り出せるように圧電薄膜の高品質化の検討、また高い振動強度にも耐えられる耐環境性能向上の検討を行っており、さらなる適用範囲の拡大に取り組んでいます。

 

自立無線センサモジュール

エナジーハーベスタで発電した電力を用いた無線センサシステムの設計・販売も行っております。下の写真はエナジーハーベスタに加速度センサとBLE通信の機能を搭載した自立型無線加速度センサモジュールになります。

私たちのエナジーハーベスタを用いた自立無線センサモジュールの構成は、下図のようになっています。エナジーハーベスタによって生み出される電力は交流であるため、直流に変換した後センサ類の駆動に適した電圧値にコンバートする必要があります。

現在私たちは、この自立型センサモジュールを機械設備に取付け、FFT演算処理を行った周波数スペクトルデータをBLEで無線送信できるセンサシステムを開発しました。下のグラフはある生産用設備(真空ポンプ)にセンサモジュールを取り付けた時の周波数データです。 測定時の各条件は、送信周波数帯域:0-100Hz、データはXYZ 3軸、送信間隔は1分で実施しています。